サイバーセキュリティ

富士通、フロンティアAIでサイバー被害を調査するサービスを国内で開始 全レポートを技術者が検証

· 約6分で読了 · サイバーセキュリティ

富士通、フロンティアAIでサイバー被害を調査するサービスを国内で開始 全レポートを技術者が検証

富士通は10月30日、フロンティアAIモデルを使ってサイバー攻撃の被害を調査し、自社の技術者が結果を検証したうえで顧客に報告するサービスを国内で始めた。IT Leadersが11月2日に報じた。インシデント発生直後の数時間、企業が対応方針を決めるために原因と被害範囲を素早く把握する必要がある場面を想定したサービスである。

顧客は不審なファイルや被害を受けた端末のデータを専用ポータルにアップロードする。ポータルは24時間365日受け付ける。AIはその後、2種類の分析を行う。端末上の侵入の痕跡や被害の範囲を調べるフォレンジック調査と、マルウェアや不審なURLを調べる脅威分析である。富士通の技術者が結果を検証し、必要に応じて不足を補う。同社によると、脅威分析のレポートは最短1営業日、フォレンジック調査のレポートは最短2営業日で提供できるという。

分析の結果、被害が広範囲に及ぶ場合や緊急の対応が必要な場合は、富士通のインシデントレスポンスチームが状況を評価し、トリアージやログ調査を行い、被害の封じ込めとシステム復旧に向けた対策を提案・実施する。一定時間までの技術者による支援は基本料金に含まれ、追加の時間も利用できる。複数の案件が同時に寄せられた場合は、専門家が優先順位を判断する。

実務への影響

富士通、フロンティアAIでサイバー被害を調査するサービスを国内で開始 全レポートを技術者が検証(イメージ写真)

このサービスは、日本企業にとってなじみのある課題に応えるものだ。フォレンジックの専門家は少なく費用も高い。外部の調査員を何日も待つうちに攻撃が広がることもある。AIを工程の入り口に置き、結論の責任は人が持つという形は、データを国内にとどめるNTTとソフトバンクの国内AIサイバーセキュリティサービスなど、ほかの国内事業者にも見られる流れに沿っている。防御側が頼る高度なモデルが攻撃者の動きも速めかねないという業界の懸念も背景にあり、各社は対応時間の短縮を迫られている。

発表では価格や導入企業は明らかにされていない。今後の焦点は、実際のインシデントでAIの分析結果がどこまで信頼できるか、アップロードされたデータがどこで処理・保存されるか、そして社内にセキュリティ担当者を持たない中小企業にとって利用しやすい料金になるかである。

← AI4Japanトップへ戻る