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東京電力、原子力の申請書づくりに生成AI CTC・ストックマークと実証開始

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東京電力、原子力の申請書づくりに生成AI CTC・ストックマークと実証開始

日本で原子炉を再稼働させるには膨大な書類が要る。東京電力ホールディングスは、その負担の一部をAIに担わせようとしている。東京電力HD、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、ストックマークの3社は10月5日、行政機関に提出する申請書の作成と確認を支援する生成AIシステムの概念実証(PoC)環境を東京電力HDの原子力部門に導入したと発表した。今月からシステムの有効性の評価を始める。

関心の背景には作業の規模がある。3社によると、申請文書は約4万2000ページ、補足説明資料はさらに約2万7000ページに及ぶ場合があり、複数の部門が数値や図表の整合性、記載漏れを重ねて確認している。日経(Nikkei Asia)は、1基の再稼働に関わる約7万ページの書類に東京電力の専門人材100人超が数カ月を費やしたと報じ、新システムによって作業量を約80%減らせる見通しだと伝えた。

システムは生成AIに光学文字認識(OCR)と画像認識AIを組み合わせ、ストックマークのデータ構造化プラットフォーム「SAT」を基盤とする検索拡張生成(RAG)を採用した。過去の文書や図表をAIが検索しやすい形に構造化し、検索した関連情報を回答に反映させることで、担当者が記述の根拠をすぐに確かめられるようにする。機密情報を扱うため、パブリッククラウドではなくオンプレミス環境に構築した。東京電力HDが業務要件の整理と評価・検証を、CTCがシステムの構築を、ストックマークがSATの提供と技術支援を担う。

実務で何が変わるか

東京電力、原子力の申請書づくりに生成AI CTC・ストックマークと実証開始(イメージ写真)

3社は、最終的な判断を人が担うことを明確にしている。AIによる指摘が妥当か、申請書を修正する必要があるかは人が決める。安全に関わる書類の誤りが重大な結果を招きうる分野であり、申請の責任は作成する技術者が負わなければならないだけに、この線引きは重要だ。

この取り組みは、より広い人手不足の問題にも通じる。日本の原子力業界は専門人材が不足しており、人手不足を補うためAIロボットの導入を急ぐ企業の現場と事情は似ている。電力そのものもAIの重要な論点だ。東京電力が中部電力と共同で出資する発電会社JERAは、Apolloが支援する千葉の150億ドル規模のAIインフラ計画に参画している。

注目点は、PoCの評価結果、原子力規制委員会がAIを活用した申請について何らかの見解を示すかどうか、そして3社が目指すとおり東京電力の他部門や他の電力会社にこの仕組みが広がるかどうかだ。

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