アマゾン、生成AI搭載の「アレクサプラス」を日本で提供開始 音声で飲食店予約や料理の注文が可能に
アマゾンジャパンは10月29日、音声アシスタント「アレクサ」を生成AIで刷新した「アレクサプラス」の日本での提供を始めたと日本経済新聞が報じた。同社によると、新しいアレクサはより自然な会話ができるうえ、利用者に代わって行動し、ウーバーイーツや出前館、食べログといったサービスと連携して飲食店の予約や料理の注文をこなす。スマートスピーカー「エコー」や「ファイヤーTV」シリーズなどで利用できる。
アレクサが日本で使えるようになったのは2018年で、アマゾンによると直近3年間の利用回数は約300億回にのぼる。新しいアシスタントは話し言葉の日本語にありがちな曖昧さや文脈を理解するよう設計され、カレンダーの登録やメールへの返信など複数の作業を一度の依頼で処理できる。今回から初めてウェブブラウザーでも使えるようになり、スマートフォンのアレクサアプリからも利用できる。会話の記録を保持するため、デバイスを切り替えても最初からやり直す必要がない。
売り込みの大きな柱は買い物だ。利用者はアマゾンの商品を音声で検索し、比較し、購入まで完結できる。AIが価格を追跡し、気になっている商品が値下がりすると知らせる。アレクサプラスは2025年に米国で始まり、日本は13カ国目となる。対応機器の利用者はまず無料で使え、一定期間を過ぎると月額3000円になるが、アマゾンプライム会員は追加料金なしで利用できる。
実務への影響
アマゾンで日本を担当するリージョナルマネージャーのジャンマリア・ヴィスコンティ氏は、テレビなどアマゾン製品以外でアレクサに対応する製品が日本国内に既に1500万台以上あると説明しており、刷新の土台は広い。消費者に代わって誰が行動するのかをめぐる競争にも、アマゾンは本格的に加わることになる。メタは最近「AIエージェント『Muse』を日本で提供開始し、メルカリやマネーフォワード ME、チケットぴあと連携」し、LINEヤフーは「無料の『Agent i Biz』」で中小事業者を狙っている。
注文や支払いまでこなすアシスタントには、実務上の疑問もつきまとう。購入をどう確認するのか、音声の聞き間違いが起きたらどうなるのか、会話の記録がどのように保存され使われるのか、利用者は知りたいはずだ。こうした論点は、政府が「AI法の見直しに着手」するなかで検討している、自律的なAIの予期しない挙動への懸念とも重なる。飲食店や宅配プラットフォームは、音声注文が新しい客を呼び込むのか、既存の客を別の窓口に移すだけなのかを注視することになる。
今後の焦点は、無料期間の終了後も何世帯が料金を払い続けるか、ほかにどの国内サービスが提携に加わるか、そしてアシスタントが行った注文をめぐるトラブルにアマゾンがどう対応するかだ。